表情を作る際に使われる筋肉

日常生活の中で、食べたり話したりしている時に、「どの筋肉をどうのように使って、この表情を作っている」と考えている人は少ないと思います。しかし顔面神経麻痺になり表情筋の動きがなくなると、そのあたりを少し知っておく必要があります。

 

表情を作るために、どの筋肉を使っているかを知っておくことは、治療を進めていくにあたり大変重要になります。やみくもに表情を作ろうとして頑張ってしまうと、共同運動等の助長に繋がってしまうからです。

まずは大雑把にでも、どのような筋肉によって表情が作られているのか把握してください。

 

詳しい内容は、実際に表情筋を示しながらお伝えしておりますのでお気軽にご相談ください。少し知るだけで、自宅における顔の調子の見方が変わってきます。

 

40点法による評価項目と対応する筋肉は以下の通りです。

 

評価項目評価基準動作筋肉

額のしわ寄せ

眉の動きがみられません前頭筋
閉眼(強閉眼・弱閉眼)閉眼できず白目がみえます眼輪筋・皺眉筋
頬をふくらます空気が漏れて、ふくらみません口輪筋・頬筋
イーと歯をみせる麻痺側の歯が見えません口輪筋・頬筋・頬骨筋・口角挙筋
への字口をする麻痺側に皺ができず、健側に偏ります口角下制筋・下唇下制筋
鼻翼を動かす鼻孔が広がりません鼻筋

 

「鼻根のしわ寄せ」「眉間のしわ寄せ」など、40点法以外で評価をする項目もありますが、基本的には40点法を用いながら顔面神経麻痺の評価を進めてまいります。

 その中で、動作にかかわる筋肉がどこにあり、どのような仕組みで表情を作るのかを知ることによって、より繊細で無駄な力がいらない動きの獲得を目指していきます。

 

顔面神経麻痺になったときに知っておくと改善が進む表情筋の名称と働き