急性期と慢性期の症状の違い

顔面神経麻痺では急性期と慢性期で症状が異なります。

急性期顔面麻痺

急性期には弛緩性麻痺による機能不全がおき、安静時に鼻唇溝が浅くなったり口角が健側に偏ったりします。顔の表情をつくろうとしても、思うように動かなかったり、まったく動かせないのはこの時期です。

目が閉じないためシャンプーが目に入ったり、口が動かしずらく食事に手間取るなどの日常動作に支障をきたします。

4か月目以降には、鼻唇溝が深くなり口角が患側に偏ってしまう顔面拘縮や、目と口が一緒に動いてしまう共同運動などが出現することがあります。眉を上げているのにも関わらず、眼裂が狭くなり、眉が下がってしまいます。

 

顔面神経麻痺の拘縮

 

上記のような症状は、発症4か月を境として出ることが多いように思います。

なので発症から3か月くらいで完治したと思っても、実際はさらに2か月くらい様子を見る必要があるのです。

特に筋肉については、急性期も慢性期も動かさないことによる筋力低下や、筋短縮が起こることが予想されるので、しっかりとしたケアと後遺症を悪化させないためのアプローチが必要になります。

 

はりふく治療院では、発症からの期間ごとに治療内容を変更していきます。

その時々に合ったアプローチを提供し、ご納得いただける説明も致しますのでご安心ください。

運動神経急性期(1-3か月くらい)慢性期(4か月目以降)
 神経麻痺による機能不全機能異常の出現
 ・筋力の低下・筋力の低下
 

・弛緩性の麻痺

 眼裂の拡大

 鼻唇溝が浅くなる

 口角が健側に偏る

 頬筋の萎縮

・筋短縮が起こり拘縮

 眼裂の狭小

 鼻唇溝が深くなる

 口角が麻痺側に偏る

 頬筋の膨隆

感覚・味覚不全 
副交感神経・涙の分泌不全・ワニの涙