はりふく治療院とクリニックの違い

ここでは顔面神経麻痺を例にしてご説明いたします。

1.施術内容について

顔への鍼治療 

はりふく治療院では、鍼灸マッサージとリハビリを中心に顔面神経麻痺にあたっており、病院に通院しながらでも安心して受けていただくことができます。

薬物療法と併せて鍼灸治療を行うことで、神経再生促進や筋肉の萎縮および短縮の予防などの効果を期待できます。

 急性期は、神経変性や麻痺の程度によって予後が変わるため、早期からのステロイド治療をおすすめしていますが、それと平行して鍼灸治療をおこなうことで、筋肉の状態を保ちながら改善していきます。個人の主義や見解などで、薬物療法を行わない方もいらっしゃいますが、余程の理由がない限りは、初期の薬物療法が重要になります。

 慢性期は、更に積極的な鍼灸治療を行っており、患者さんの麻痺状態や筋肉のコンディションに合わせて治療内容は変わってきますが、鍼灸を中心に治療をすすめ、リハビリなども行っていきます。この時期は自宅でのリハビリも大切になります。

麻痺になってからの期間が長い方でも、状態によって改善が期待できますので、諦めないでください。

クリニックでは

薬物療法:炎症による浮腫軽減を目的としたステロイド薬の内服や点滴が広く行われています。発症早期に、炎症を取り除くことで予後に差が出てきます。

抗ウイルス薬の併用が有効で、そのほかとしては、各種ビタミン製剤や血管拡張薬も一緒に処方されます。ボツリヌス毒素療法は顔面痙攣などに用いられます。

神経ブロック療法:星状神経節ブロックなどがペインクリニック等で行われています。交感神経系の緊張を緩和して、血流を改善する目的で行われます。ステロイドと顔面神経麻痺治療

外科的治療:顔面神経減圧術は顔面神経が通る細い骨管部分を開放することで、神経内圧を軽減する方法です。ステロイドのみでは絞扼解除が十分でない場合の選択枝となります。

他には、顔面痙攣に対してボツリヌス毒素療法が選択枝とならない場合は、神経血管減圧術という手術になります。

ちなみに顔面神経麻痺になった際に受診をするのは、耳鼻科や脳神経外科です。

2.検査や評価について

柳原法40点法当院では問診、視診、触診などで患者様の顔面神経麻痺の状態を把握していきます。クリニックのように電気診断法を行うことが出来ないので、肉眼的評価法である柳原法を用いています。

これによって表情筋ごとの状態評価が可能になり、回復過程も見ていくことができます。写真等による経過の比較を行うことで、患者様がみてわかる客観的評価を提示できればと思っています。

 

クリニックでは

顔面神経麻痺の検査や評価法としては、予後の判定に関する神経誘発電位検査、筋電図検査、エレクトロニューロノグラフィー、誘発筋電図、神経興奮性検査などがあります。

症状ごとに様々な検査項目があるので、すべてを挙げることはできませんが、それらによって予後の判定を行い、薬物療法等の治療へと移ります。最初の時点できちんと病態把握をすることで、予後や後遺症の予防に繋がっていくのです。

中枢性顔面神経麻痺のMRI検査
顔面神経麻痺で行われるMRI検査