反回神経麻痺(声帯麻痺)

反回神経麻痺(声帯麻痺)

反回神経(はんかいしんけい)は迷走神経から分かれ、左右の声帯運動を支配しています。

声帯の動きを支配している反回神経が麻痺してしまい、嗄声(声が出ない・出ずらい)や嚥下困難、喉頭部の異常感などを主訴とする神経麻痺です。

話はじめの声がでずらかったり、声がかれてしまう、高音・低音がでない等、症状は様々あります。不調を放っておくと声がまったくでなくなったりすることもあります。

一般的に左側に麻痺が多いのは、脳幹から喉頭までの走行が長いためで、圧迫や損傷の機会が多いためとされています。

見た目には変化がないので、話さなければ他人にはわかりませんが、声がでないので会話を避けるようになり、ストレスがとても大きくなります。

 

反回神経麻痺の原因

  • 突発性(原因不明)
  • ウイルス感染(帯状疱疹ウイルス)
  • 手術後の続発
  • 腫瘍による圧迫(大動脈周囲の腫瘍)
  • 声帯の炎症・緊張
  • 加齢(喉頭機能の低下)
  • その他(家族性など)

「麻痺がいつまでたっても治らない…」
「治るまでに何をすればいいの…?」との不安を訴えられる患者様が多いです。

*発声や飲み込みに不調がある場合に、癌や胸部大動脈瘤、脳梗塞などが原因の場合もありますので、まずは病院にて診察を受けることが大切です。

反回神経麻痺の症状

  1. 声の変化(声帯運動が影響を受け、声が変わったり声がかすれる<嗄声>)
  2. 発生持続時間の低下(声が続かない)
  3. 声がでなくなる(重症化すると声帯運動が制限され声が出なくなる)
  4. のどの違和感(喉頭周辺に違和感や異常感を感じる)
  5. 飲み込みずらさ(嚥下困難になり食べ物や液体が気管に入りやすくなる)
  6. 喉頭の痛み(喉頭周辺に痛みや不快感がでる)
  7. 脳梗塞後の嗄声(舌下神経や舌咽神経の運動障害がでることもある)

*一般的な症状であり、症例によって症状の程度や出現頻度が異なります

音声障害について

当院に来られる「反回神経麻痺」と診断された患者さんの訴えで、一番多いのは「音声障害」です。

声がでずらい・声がかすれる・大きい声が出せない等の、思い通りに発声ができなくなってしまう状態で、病院に行っても「しばらく様子をみてください」や「異常なし」とされ困っている方が多い印象を受けます。

声の不調の原因は、声帯のみならず呼吸、舌や唇の動きなどが関わってくるので、そちらもしっかりと診ていく必要があります。

当院での鍼灸治療

 

反回神経麻痺(声帯麻痺)に対しての治療は、出来るだけ早めに始めるのがベストです。

通常は半年ほどの治療で回復するのですが、それ以上の期間が経ってしまった場合でも、治療を行うことで状態改善は可能ですし、回復された方もおられます。

反回神経麻痺治療では、鍼灸の他に声を出しながらのリハビリも行います。

一般の鍼灸院では鍼を打つだけの治療が多く、なかなか改善がみられないことが多いようです。
当院ではその都度、声の出方を見ながらのリハビリ鍼灸施術となりますので、回復への手ごたえを感じていただけると思います。

もちろん、病院での治療との併用は可能なのでご安心ください。

また、声を出せない状態が続くということは、表情筋ならびに嚥下関連の筋肉の使用も減少してしまいます。

そのため、麻痺が長引いている患者様の表情筋が衰えてしまい、表情が歪んだり浮腫んでしまうといった、2次的な症状を作ってしまうこともよくあります。

心身共にしんどく、日常生活にも支障をきたすので気持ちも落ち込んでしまいますよね。


当院は、もともと顔面神経麻痺なども専門に行っている治療院なので、

そういった症状に対しても有効な治療を行うことができます。声帯機能を戻すための神経の再教育と、自宅にて取り組んでもらうリハビリも指導いたしますので、安心してご来院ください。

治療期間は、<神経損傷の程度>や<発症からの期間>にもよりますが、週1~2回で3か月を目安にしていただいています。

 

積極的なケアが大事!

反回神経麻痺(声帯麻痺)の治療は、他人任せではうまくいきません。

鍼灸治療の合間に、いかに自分から進んでリハビリに取り組むかで結果が異なるからです。身体は毎日変化しています。その変化を捉え、神経再生を押し上げていくのです。

麻痺は放っておいては治りません。

きちんとした治療とリハビリがとても大切です。
2次的な症状を防ぐためにも、早めの治療を行ってください。

受け身でない積極的なケアを行っていきましょう。